平成12年2月17日
社援第310号
社会福祉法人会計基準の制定について
社会福祉事業の実施を目的に設立される社会福祉法人の会計については、これまで昭和五一年一月三一日社施第二五号厚生省社会局長、児童家庭局長連名通知「社会福祉施設を経営する社会福祉法人の経理規程準則の制定について」により行われてきたところである。これに対し現在、将来にわたって増大・多様化が見込まれる国民の多様な福祉需要に適切に対応するため、介護保険制度の導入など個別施策の見直しに加え、社会福祉事業、社会福祉法人、措置制度など社会福祉の共通基盤制度全体の改革に取り組み、利用者の立場に立った社会福祉制度の構築に努めているところである。なかでも社会福祉法人については、引き続き社会福祉事業の中心的な担い手としてふさわしい事業を確実、効果的かつ適正に行うため、従来にも増して自主的に経営基盤の強化を図るとともに、その提供する福祉サービスの質の向上及び事業経営の透明性の確保を図ることが強く期待されている。
これまで、社会福祉法人経営の基礎ともいえる社会福祉法人会計については、主として措置費等公的資金の収支を明瞭にし、その受託責任を明らかにすることを基本的な目的としていた。しかしながら、社会福祉法人が自らに期待される役割を積極的に果たせるようにするためには、従来の施設単位であった会計単位を法人単位に一本化し、法人全体での把握ができるようにするとともに、社会福祉法人としての公益性を維持し、入所者等の処遇に支障を与えることなく、自主的な運営が行えるようにする必要がある。
ついては、社会福祉事業法に規定する財産目録、貸借対照表及び収支計算書の作成に当たっての基準として、別紙のとおり「社会福祉法人会計基準」を新たに定め、平成一二年四月一日から適用することとしたので、この円滑な実施につきご配慮願いたい。
1 社会福祉法人会計基準(以下「会計基準」という。)の基本的な考え方
(1) 社会福祉法人(以下「法人」という。)単位での経営を目指し、法人全体の経営状況が把握できる法人制度共通の会計基準とした。
(2) 会計基準は、簡潔明瞭なものとし、損益計算の考え方を採り入れることにより効率性が反映されるものとした。
(3) 会計基準は、法人としての高い公益性を踏まえた内容とした。
(4) 会計基準は、取引を適切に記録し、経営状況を適切に表示するための基本的な事項について定めたものであり、各法人における経理処理については、この基準を基にそれぞれの法人で自主的に定めることとした。
2 会計基準の骨格
(1) 法人全体での資産、負債等の状況を把握できるようにするため、会計単位は施設ごととせず、法人で一本の会計単位とすることとした。ただし、公益事業及び収益事業については、別途特別会計として会計単位を分けることとした。
(2) 施設ごとの経営状況を判読できるよう、会計単位の内部に施設ごとの経理区分を設けることとした。
(3) 適切なコスト管理、経営努力の結果が反映されるよう、損益計算の考え方を導入することとした。
(4) 建物等の資産価値を適切に評価、表示するため、減価償却制度を導入することとした。
(5) 計算書の体系は、資金収支計算書、事業活動収支計算書、貸借対照表及び財産目録とした。
<1> 資金収支計算書は、支払資金の収入、支出の内容を明らかにするために作成し、経常活動による収支、施設整備等による収支及び財務活動による収支に区分し、決算額を予算額と対比して記載するものとした。
<2> 事業活動収支計算書は、法人の事業活動の成果を把握するために作成し、事業活動収支の部、事業活動外収支の部、特別収支の部及び繰越活動収支差額の部に区分して記載するものとした。
また、支出には適正に計算された減価償却額を計上するものとした。
<3> 貸借対照表は、法人の会計年度末における財産状態を明らかにするために作成し、資産の部、負債の部及び純資産の部に区分するものとした。
<4> 財産目録は、会計年度末における全ての資産及び負債について、その名称、数量及び価額等を詳細に記録するために作成することとした。
(6) 資金収支計算書、事業活動収支計算書には、経理区分ごとの内訳表を添付することとした。
3 会計基準運用上の留意点
(1) 経理規程の制定
法人は、会計基準に基づき会計処理に必要な事項について経理規程を定めること。
(2) 複式簿記の実施
法人は、財産状態及び収支の状況について従来から行われている複式簿記により明確に記録し、財務報告をしなければならないこと。
(3) 経理区分
法人本部及び定款に記載された社会福祉事業ごとに経理区分を設けることとしたが、複数の施設等を運営している場合には、それぞれの施設等ごとの区分を設け、その区分ごとに収支計算を行うこと。
(4) 勘定科目
<1> 勘定科目は、他に定めのある場合を除き、この会計基準に示した勘定科目に準拠して区分しなければならないこと。
<2> 法人によって必要としない勘定科目は設定しなくてもよいこと。
<3> 法人の都合上勘定科目に小区分を設けることは差し支えないこと。
(5) 減価償却
減価償却の方法は、定額法によるものとしたところであるが、これによりがたい場合には、定率法によることができること。
(6) 附属明細書の作成
従来の附属明細書を大幅に簡素化した上で、重要な資産及び負債等の状況を明確にするために、借入金、貸付金及び固定資産等についてその内容を明らかにする明細書を作成すること。
4 適用の範囲等
(1) 適用の範囲
<1> 原則として、全ての法人について適用するものとする。
<2> 措置費(運営費)支弁対象施設のみを運営している法人については、当分の間、昭和五一年一月三一日社施第二五号厚生省社会局長、児童家庭局長連名通知「社会福祉施設を経営する社会福祉法人の経理規程準則について」(以下「経理規程準則」という。)によることができるものとする。
<3> これまで経理規程準則が適用されていない法人については、当分の間、従来の会計処理によることができるものとする。
<4> 病院会計準則等を適用している肢体不自由児施設、重症心身障害児施設、助産施設及び老人保健施設等については、当分の間、従来の会計処理によるものとする。
<5> 授産施設については、別途通知される予定の会計基準によるものとする。
(2) 実施の時期
平成一二年四月一日より適用するものとする。
(3) 会計基準の見直し
会計基準は、今後の社会福祉事業の動向を踏まえ、適宜必要な見直しを行い、今後もさらに改善と充実を行っていくこととする。
社会福祉法人の会計関連リンク
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>社会福祉法人会計の制定(平成12年 厚生労働省資料)
>社会福祉法人の新会計基準(素案)(平成22年12月版 厚生労働省資料)
>社会福祉法人会計基準(現行)(最終改正平成19年2月版 厚生労働省資料)
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