ホーム>収益不動産による資産形成
現代の中小企業経営は、景気の低迷と不安定な業績のコントロールに多くの業種が悩まされています。目下の資金状態が良好な企業であっても、業績のよい時期が継続するとは限りません。法人が収益不動産を持つという選択は、本業以外にキャッシュを生み出せる安定した財務体質をつくる長期的視野に立った選択です。
しかし、収益不動産は簡易に行なえるような「投資」ではありません。収益不動産についてその効果やリスクについて熟知し、なによりも物件を見る目を養う必要があります。収益不動産は法人の「事業」として、不動産賃貸業を運営するという意識を持って、初めて先を読んだ効果的な選択肢となります。
会社のキャッシュは、商品を販売、又はサービスを提供することによりにより増加し、仕入や経費の支払により減少します。いわば法人に循環する血液のような必要不可欠な資産です。しかし、このキャッシュが当面の資金繰り以上になると、余剰資金となり献血しても法人運営に支障がないことになります。この余剰部分については、収益不動産を含めた投資可能資金となり、これを頭金として融資を組みことができるようになります。
不動産を購入すると、流動資産であるキャッシュから固定資産である不動産に資産内容が変更されます。良い効果として預貯金利息しか利益を生み出さないキャッシュから、家賃収入を生み出す収益不動産に資産をシフトすることで法人の収益獲得能力が上がる効果があります。反面悪い効果となるのが、キャッシュから不動産にシフトしたことにより資産の硬直化がおこります。これは売却しやすい物件を選ぶことでリスクを減らすことができます。
収益不動産の良い効果として、収益獲得能力の向上が挙げられます。この収益は賃借人が使用するだけで収益を獲得できる、手間のかからない収益獲得能力となります。もしも本業の事業が廃業しても、収益不動産は現金を生み出し続けることができます。老年となれば本業を自主廃業し、経営者に退職金を支払い、その後は不動産管理会社として老後の資金に充てるといった事業展開も可能になります。その他、もしもの時に収益不動産を売却して換金するといった選択をすることができます。
収益不動産を所有するということは、企業経営と同様に自己責任のリスクを負うことになります。収益不動産のリスクについて、きちんと把握することは必要不可欠となります。個別の物件ごとにリスクを計り、物件を検討してください。
価格下落リスク | 地価の下落による資産価値の低下。 |
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空室リスク | 入居者の不在、空室の長期化。 |
家賃滞納リスク | 入居者の家賃の滞納。 |
天災リスク | 火災、地震などによる建物の損害。 |
人災リスク | 事故による損害賠償、風評被害による価値の低下。 |
収益不動産は収益を生み出します。収益を生み出すということは利益に対して税金が課税されます。その反面、借入金返済は利息部分のみしか経費となりません。ここに収益不動産の運営にあたって理解しなければいけない重大なポイントがあります。月次の借入金が返済できれば完結ではなく、後から追いかけてくる税金を納付して初めてキャッシュフロー収支が完結します。会社が最終的に支払う税額は本業の収益の状況によって変動しますので、本業の収益予測に応じて、不動産を購入する前にその税額について予測をたてます。
子供に資産を相続させる場合、相続税対策として収益不動産は効果的です。また、収益を生み出す収益不動産を早めに贈与し、相続税の納税資金を準備させるなどもいいでしょう。大掛かりな相続税対策は長期的な視野で行なわなければなりません。
物件選択は収益不動産の運営にあたっての最大の重要事項です。インターネットで公開された不動産業者からの情報が一般的ですが、それ以外にも多方面から物件に関する情報を集めることが選択を広げることとなります。一部になりますが、関会計事務所は不動産業者の紹介や、一般に公開されていない未公開物件情報を提供しております。収益不動産物件の選択にご活用いただければ幸いです。