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2011年04月20日
請求人は、法人の設立を決議した設立発起人会の決議の日の翌日をもって事業を法人に継承したものであるから、同日以後法人設立登記の日までの期間に生じた損益についても法人に帰属すると主張するが、法人の設立期間中に生じた損益については、[1]当該法人は、請求人が営んでいた建築設計業を引き継いだものであること、[2]当該法人は、その本店の所在地において設立登記をすることにより初めて法人としての権利能力を取得したものであること、[3]請求人備付けの現金出納帳には、請求人に対する事業主報酬及び青色事業専従者給与の支払いの事実が認められることから、請求人に帰属するとするのが相当である。
なお、原処分庁が認定した総収入金額には、建築主から依頼された近隣住民の同意を得るための交渉費用が含まれており、これは、将来における実費精算を予定した仮払金であることが認められ、請求人の預り金であるとするのが相当である。
平成4年2月13日裁決
【コメント】
今回のケースは、個人で事業を行っていた個人事業主の法人成だったために起こった事例です。法人登記前に大きな収益が発生すること自体ありえませんが、個人事業の実態がなければ法人の準備期間に獲得した収益であっても、法人に帰属でしょう。
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