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2010年12月27日
稼働実体のない人材派遣会社からアルバイトなどを受け入れたように装い、平成20年1月期までの7年間で消費税約7千万円の水増し還付を受けていたとして、「石焼らーめん火山」などを展開する中華料理チェーン「雅秀殿」(宇都宮市)が関東信越国税局から追徴課税されていたことが26日、分かった。法人所得約1億円の申告漏れも指摘された。追徴税額は重加算税などを含め約3千万円にのぼるとみられる。
関係者によると、雅秀殿は創業者で前会長の親族が代表を務める人材派遣会社(宇都宮市)から、従業員の派遣を受けたことにして、消費税の還付を税務署に申請していた。
税務調査の結果、同社は仕入れにかかる消費税が還付される仕組みを悪用していたことが判明。従業員の大半が人材派遣会社から受けたことになっていたが、実際はアルバイトなども雅秀殿で直接雇用していたとされる。派遣会社は稼働の実体がなく、納税もされていなかったという。
前会長の飲食など個人的な経費についても会社の経費に仮装するなどして、20年1月期までの7年間で約1億円の申告漏れを指摘され、うち約5千万円は仮装隠蔽(いんぺい)を伴う所得隠しと認定されたという。
同社は昭和49年、中華料理の料理人だった前会長が創業。年商約28億円に急成長している。同社はラーメンブームに乗って数年前から「石焼らーめん火山」を展開。県外にも出店し、現在では約30店舗を数える。
雅秀殿は産経新聞の取材に「国税局とは見解の相違はあったが、指摘を受け止め、今後は適正な納税に努める」としている。
産経新聞 2010/12/27
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/event/crime/478593/
【コメント】
同族の人材派遣会社に従業員を在籍させて、本体に派遣したのであれば大丈夫だったのではないかと思います。この案件は、派遣会社のほうで申告していなかったのが決定的ですね。架空経費であれば明確な脱税案件です。法人税の追徴がそれほどないので、人件費をほぼそのまま派遣料に転化していたものと推測されます。
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